こんにちはエボです。
皆さんは「うずら」という鳥をご存じですか?
うずらはキジ科の鳥で成長しても20cm程で、丸みを帯びた体型が可愛く、最近ではペットとして飼われている方も多い様です。
性格は臆病ですが人に懐きます。早朝に鳴く習性があるのでその点をクリア出来れば飼いやすい鳥と言えるでしょう。
卵から育て刷り込みされた雛はとても愛らしいです。
そんなうずらを8年前、ペットショップで見かけて珍しいと思い購入しましたが1羽では寂しいだろうと思い、もう1羽購入しようと思いましたが手に入れる事が出来ませんでした。
そこで、駄目元でスーパーのうずらの卵を孵化させようと思い孵化器を自作しました。
ここでは卵を孵化させる方法と、孵化器を自作する方法を紹介していきます。
ウズラの卵を孵化させる為に必要な3つの方法とは?
うずらの卵を孵化させようと思ったものの何をどうすればいいのか、さっぱり分らない。
とりあえず分らない事には前には進めないので、可能な限り調べることに。
調べた結果、うずらの卵を孵化させる為の3つの条件が分りました。
まずは、有精卵である事。
有精卵って何?どこで売ってるの? 有精卵として売ってるの? スーパーの卵はどっち?見分けはつくの?
次に温度管理と高湿度である事。
適切な温度湿度って何度? 一定に温度を保つにはどうしたらいいの? 高湿度の状態はどう作る? 温める物は何にする?
最後は転卵です。
転卵って何? 何回転させるの? どの位の頻度でやるの? 1日に何回、1時間に何回?転卵しないとどうなるの?
有精卵を手に入れる
うずらはオスが居なくてもメスは卵を産めます。
受精の無いまま生まれた卵を「無精卵」と言い、受精して生まれた卵が「有精卵」となります。
今現在は、有精卵をネットで手に入れる事が出来ますが、当時の私は見つける事が出来ず、駄目元でスーパーの卵を温める事にしました。
スーパーの卵には20分の1程の確率で有精卵が混ざってしまう事があるそうで、それはうずらはオスとメスの判別が難しく養鶉場で採卵する際メスを一カ所でまとめて飼育するのですが、この時、間違ってオスが混じってしまい、極希に有精卵が市場に流れる事がある様なのです。
適切な温度・湿度
鳥類は親鳥が卵を産み、その卵を一定日数卵を抱く事で雛がかえります。
卵を抱くとは、卵に適した温度や湿度、空気を与え更に卵を転がすなどの動作を行う事です。
色々調べた結果、それを人工的に抱卵に近い状況にする為には、保温温度を37.5度~38.0度にし、湿度は50%~70%をキープする事が必要だと分りました。
毎日の転卵
転卵とは卵を転がす事で、胚が殻の内側に貼り付く事を防ぐ行為です。
回数で言うと1時間に1回が理想とされている様ですが、私の場合は大体5~6時間に1回程度で、夜間睡眠中は9時間程空けていました。
回転角度は90~180度程で行っており、その時は卵を冷やしたり傷つけたりしない様に優しく短時間で行っていました。
ちなみに、1日に回転する回数が多かったり、1時間に1回以上回すと血管を傷つけたり、振動で胚の成長が停止してしまうそうです。
ウズラ孵化器の作り方と卵を孵化させる方法を紹介!
うずらの卵が孵化する条件を調べたので次は孵化器を作ってみる事にしました。
成功するか失敗するか分らないので、なるべく家にある物を活用し抱卵の環境に近づくように試行錯誤しながら作成しました。
用意した物とは?
なるべく家にある物を代用。
プラケース | 少し大きめ(35cm×20cm位)の虫かご使用 |
保温電球 | ペットのウサギが寒さ対策で使用していた物を使用 |
四角いお皿 | 卵20個が乗り、更に転がしやすい大きさの物を使用 |
タオル | 卵の下に敷く為の物 |
足台 | お皿の下に置くためペットボトルをカットして使用 |
金属の網 | プラケースに入る大きさで四角い物、お皿の下に敷く |
段ボール箱 | 虫かごより一回り大きい物を使用 |
発泡スチロール | 保温の為、段ボール内側に入れて使用 |
温度計 | 小さめのもの |
水 | 湿度を保つ為に必要 |
上記の物を使用し孵卵器を手作りしてみました。
作り方紹介
うずら孵化器の材料が揃ったので作成開始。
大きさとしては、うずらの卵20個が入る程度の物です。
- プラケースの底に水を2cm程の高さになるまで入れる。これは温めたときに水が蒸発し湿度が高くなる様にするためです。
- ペットボトルを5cmの高さに切った物(輪)を4つ作って水の中に置く。これは卵を置いたお皿を置く時に、水に浸かってしまわない為の足台の役目をします。
- 足台の上に金属の網を置き、その上にタオルを敷いたお皿を置き、ついでに小型の温度計もお皿の上に置く。金属の網はお皿が安定する為に置きました。
- 保温電球をプラケースの縁に引っ掛け蓋を乗せる。保温電球が引っかかっているので蓋がしっかり閉まりませんが、後で段ボール箱に入れるので気にしません。
- 段ボール箱の内側に発泡スチロールを貼り付けた物を用意し、その中にセットしたプラケースを入れ保温電球の電源をONにして完成です。発泡スチロールの量で温度の状態を調整します。
卵は直ぐには入れずに孵化器の温度が37.5度~38.0度に安定してからいれました。
卵を孵化させる方法とは?
孵化器が完成し温度が37.7度に安定してきたので卵を20個投入しました。
ここで気を付けたのは、なるべく保温電球から離して置く事です。
近すぎると、そこだけ卵の温度が高くなってしまうと思ったからです。
ここからは兎に角、温度管理に気を付けてひたすら毎日転卵。
有精卵で成長が始まっても、温度が低くなったり逆に38.0度以上の高温になったりすると成長が止まってしまいます。
うずらの雛は抱卵から17日前後で孵ります。
卵が育っているかどうがを調べるのに検卵という方法があります。
筒状の物の上に卵を乗せ、筒側からライトを当てると血管が見えたり、影が撮ったりします。(手を筒状にし、その上に卵を置いても出来ます)あまりやり過ぎると、せっかく育っても成長が止まってしまう事があるので、私は6日目と13日目に行いました。
成長している卵は光を通さなくなり黒い影の様に見え、成長していない卵は黄身と白身がゆらゆらしていました。
15日目頃からは卵の中からピピピ・・・と声が聞こえてきます。
あとは孵化する2日前より転卵は中止。
湿度は高めのままですが、水がそのままになっていると孵化した雛が落ちて溺れてしまうので布を入れ、溺れ防止をしました。
その後18日目に雛が一羽孵りました。
まとめ
うずらを孵化させる方法で必要なのは有精卵である事、37.5度~38.0度の温度設定と50%~70%の高湿度を保つ事、毎日の転卵です。
有精卵を手に入れる方法としては通販などで購入する方法と、20分の1の確率で有精卵が混ざっているスーパーの卵を買ってみる事です。
成長が止まってしまう理由には、卵の温度が下がってしまう事、逆に38.0度以上の高温になってしまう事、転卵や検卵のやり過ぎなどがあるので、卵の扱いと孵化器の温度管理には注意が必要です。
うずらは孵化器で温めてから17日前後で孵化します。
孵化2日前には転卵を中止し孵化後は、水で溺れない様に注意して下さい。
当時は知らなかったのですが有精卵の胚は鶏の体内で細胞分裂が始まっていますが、産卵と同時に一旦この細胞分裂が停止するそうです。
その後温めると又細胞分裂を再開するようです。この事がスーパーの卵を孵化させる事にプラスに働いた様です。
ただスーパーの卵に有精卵が混ざっている確率は希で20個に1個の割合らしいので20個温めて一羽孵った私は運が良かったと思います。